掘りたてのタケノコをくれた彼女は・・・

▼つくづく世間は狭いと思った
 東京・神田で無料のジャズ・ライブを堪能し、家路についた。途中、屋敷の竹林でタケノコを掘っていたので声をかけたら、「あげる」と言った。厚意に甘えて小ぶりな3本をいただいた。

 親切な女の子は米ぬかも一緒にくれた。びっくりしたのは、彼女は私たちが落語会を開いている場所で催した演奏会に出演していた学生だった。私も聴きに行った。奇遇である。世間は狭い。

 「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し 口先ばかりではらわたはなし」なんと申しまして・・・、何やら落語口調になってきた。この川柳は、さっぱりとした江戸っ子気質を例えたのもだ。

 昔の江戸っ子は先を争って初物の味を楽しんだ。中でも、春先の初鰹は、「女房を質に入れても食いてえ」と言われたぐらい食べたかったようだ。

 なにしろ、今と違い流通は行き届いていない。クロネコのクール宅急便なんぞなかった。時間をかけて運んでたら、魚などは傷みやすいので売り物にならない。だから初物の鮮魚は高価だった。

 文化9年(1811)3月に江戸で一番の懐石料理屋「八百善」が買った初鰹3本の値段が2両と1分。現在のカネに換算して25万円だと言うから驚きである。それほど、江戸ッ子は初物には並々ならぬ執着心をもっていた。

 5月と言えば初夏。この時期の旬はなんといってもタケノコだ。さっそく堀りたての3本を皮ごと鍋に入れ、落し蓋をしてゆでた。米ぬかはあく抜きである。ゆであがった3本はきれいに皮をむき、水につけて一晩寝かせた。

 だし汁に適度に切ったタケノコを浸し、みりんと砂糖少々、薄口しょうゆを入れ、味がしみ込むよう落し蓋をして中火でゴトゴト煮た。煮上がったところでガスを止め、かつおぶしをたっぷりふりかけ、蓋をして出来上がり。

 堀りたては美味い。これだけ煮てもサクッと歯ごたえがある。これだよ、これが旬の味だ。時期に、その季節の食べ物を食べるのが一番のご馳走だ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

ナイス ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック