美人女将の温泉宿 1

▼創業は江戸延宝年間
 温泉旅館に「その人あり」と言われたのが群馬県は四万温泉、やまぐち館の田村久美子女将(おかみ)だ。そこらあたりのタレントなど足袋裸足の美人女将として知られた有名人。温泉ブームのころはCM出演など引っ張りだこの人気者だった。そんな女将のいる宿を訪ねた。

 一度、訪ねたいと思っていたが、なかなか機会がなかった。今回、ツアー企画があるというので便乗した。ツアーと言っても、名所や土産物屋をグルグル巡るあれではない。往復の交通と宿のセット旅行である。

 なるほど、やまぐち館は、噂にたがわず落ち着いた風格のある宿。創業は江戸延宝年間と言うから文句なしの老舗である。外見だけでも「ニッポンの宿」と言った趣が感じられる。

▼客室には掘りごたつ
 四万川の川沿いに建っているので玄関は4階。建物はかなり古いが廊下もどこも磨き込まれ、掃除が行き届いて気持ちがいい。広い客室には掘りごたつがしつらえてあり、日常を離れてくつろげる。

 幅広の窓の外には四万川が流れる。せせらぎが何とも心地いい。今はまだ落葉樹が山肌をさらしているが、新緑、紅葉のころはどれほど素晴らしいかと思いをはせた。

▼毎日、湯を抜き掃除
 温泉大好き人間の私は、早々に露天風呂に向かった。源泉かけ流しは嬉しい。ぬるめと熱めの2種類あったが、熱い方に入った。42度ぐらいか。これの方が「温泉に浸かった」気分になる。

 朝から2回目の湯から出ると、「今から清掃の時間」だという。内湯の大浴場も、露天風呂も男湯も女湯もすべて湯を抜き、掃除を始めるといった。しかも、毎日である。驚いた。  (続)

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