日本の政府のやり方はナチスのまねばかり

▼作家の半藤一利が鋭く批判
 一内閣の勝手な判断でこれまでの憲法解釈を変え、安保法制=戦争法を強行した安倍政権の手法は、あれはヒトラーのまねですよ。日本の政府のやり方はナチスのまねばかり。

 例えばナチスは国会議事堂放火事件の後、政府が立法権を行使できる授権法を成立させ、民主的なワイマール憲法を骨抜きにして独裁体制を固めました。麻生大臣の『ナチスの手口を学ぶ』という発言は冗談ではなく本音で、本当に政権内部で話し合っていたのだろうと思います。

 私(半藤一利)は、3月10日の東京大空襲で火と煙に追われ、川に落ちて死ぬ思いをしました。何とか助かりましたが、たくさんの人が死んでいくのを見ました。お母さんと子どもの死体などがごろごろしていた。

 それを見ても、何の感情もわかなかったんです。後で思うと不思議でしょうがない。疎開先の新潟県長岡市でも、空襲による死体をたくさん見ました。でも何とも思わなかった。

 終戦を伝える8月15日の天皇の放送を聞いた時も、助かったとは思ったけど、たくさんの犠牲者のことは考えませんでした。

 私は戦争で、実に非人間的な男になっていました。戦争は人間を殺すことでしかない。戦争は、人間をとことん非人間的にする愚劣なものです。そのことを、戦後しばらくたってから、やっと痛感しました。

 こうした体験は、ちゃんと残しておかなければ。それが昭和史に食いつくようになった始りです。空襲で逃げる時、川のなかで人を蹴飛ばしたり、はねのけたりしました。

 歴史の本を書きながら、自分自身の戦争体験は戦後何十年も書いたり、話したりしませんでした。こういうことは、好んで話したいようなことではないですよ。でもやがて、歴史を書いているものとして、自分はどういう体験をしたのかを、東京の下町の戦争を知る者として伝えなければ、と思うようになりました。

 昭和前期の歴史のような、失敗の歴史のなかにこそ、教訓がたくさんあります。これをよく学んでほしいですね。内政がうまくいかない時は、外国に対する危機感や恐怖感をあおる。国民の意識を外にそらす。これは権力者がよくやる古典的な手であり、これがなかなか有効なんです。

 第2次大戦前のドイツでは、小党分立でバラバラでナチスの台頭を許していまいましたから。参院選で野党が共闘して、戦争に向かいかねないこの流れを止めてほしい。

 いまの日本はまるで昭和13、14年ごろのような不気味さも感じます。同時に、戦前と違い現在は、戦後70年間で築いてきた民主主義の理念がまだ大きく根付いています。

 若い人たちの間にも、シールズのように「自分の頭で考え」自発的に行動を起こす動きが出ている。私はとても期待しています。

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