放射能汚染を封印したまま再稼働は進む

▼安倍政権の顔色うかがう県庁
 子どもの「甲状腺がん」が増えている。放射能の影響は明白だ。が、福島県は安倍政権の顔色をうかがって、影響を否定するばかり。放射能汚染の影響調査は封印したままで、原発再稼働は進む。

 東京新聞・佐藤直子記者の現地ルポ「フクシマで考える」、第2弾は「起きた事実を見つめよ」である。(ただし、小見出しはブログ筆者)

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▼被ばく牛は原発事故の生き証人
 福島原発から北西に十四キロ、避難指示で居住制限区域とされた福島県南相馬市小高区と浪江町にまたがる「希望の牧場ふくしま」。牛が草をはんでいる。

 五年前の原発事故直後、畜産農家の吉沢正巳さん(61)は、放射線被ばくした三百二十頭の黒毛和牛を殺処分するよう政府から求められた。悩んだ末に、生かすことを選んだ。なぜなのか。

 「被ばく牛は原発事故の生き証人。処分すれば証拠は消え、事故はなかったことにされる」

▼牛の体内からセシウム検出
 経済動物としての意味を失っても、放射能汚染の検証に役立てようとした吉沢さんの判断は正しかったようだ。

一年後、約二十頭の体に白い斑点が出た。水素爆発の時に放出されたセシウムが体内から検出された。原発に近い大熊町の牧場でも、五十頭の牛のうち十頭に斑点が出ている。

▼知っていながら「原因は不明」
 長い畜産生活で初めて見る。この異常が被ばくと関係があると考え、農林水産省に調査を求めたが「原因は不明」。

 今も国立大の研究チームが牛の血液を採取したり、首輪につけた計器で放射線量を測定したりしているが、吉沢さんには解明に消極的だとも映る。

 「いつまで生かしておくんだ」と、同業者の非難めいた声も聞こえてくる。吉沢さんには言いたくなる気持ちが分かるのだという。原発事故は牛を殺処分した者と、しなかった者と、命を扱う仲間をも分断してしまったのだ。

▼苦しんでいる子どもたち
 被災地の内外で原発事故の記憶の風化が進む。被ばく牛は復興の邪魔者ではない。事実を見つめよと、人間たちに問いかける生き物たちの象徴ではないか。

 子どもたちの間では甲状腺がんが増えているが、県の調査班は放射能の影響を否定するばかりだ。原発のちりは広い範囲に降った。原因の究明は進むのか、将来への不安を声にも出せず苦しんでいる子どもは各地にいる。

 放射能汚染が生命にもたらす影響はまともに調査されているとはいえない。そんな状況で原発再稼働は進んでいる。逆戻りさせてはならない。起きた事実と向き合うのは将来の世代に対する大人たちの責任である。

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この記事へのコメント

まっちゃんさん
2016年03月01日 13:06
被爆した牛を殺せと言うのは、被爆した人も殺せと言っているに等しい(ー ー;)

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