感動のスピーチ要約

▼大澤さんのスピーチ要約
 この夏、普通だったことは、どんどん普通じゃなくなりました。昨日までファッションの話しかしなかった学生が、政治を語り始めた。本とパソコンの前から動かなかった学者が、雨に打たれながら路上に立った。多くの芸能人がタブーを破り政治的な意見を表明した。

 あるサラリーマンは金曜の会社帰りは街宣に立ち寄るようになったし、スピーチを聞いた彼女は通りすぎようとした恋人を引き止めた。 友達は初めて来たデモで、黙ってプラカードを掲げたし、 臆病なわたしが、国会前でマイクを握った。

 「当たり前」に順応するのではなく、何を「当たり前」にしたいのか 常に思考し行動し続けること、どうやらそれだけが、未来を連れてきてくれるようです。

 空気を読んでいては、いつまでも空気は変わらないんです。そのことを、デモをするたび、街宣をするたび、一緒に声をあげる名前も知らない人たちが、その勇気でもって教えてくれました。

 武器を持ち、人を殺すことが「普通の国」だというのなら、わたしはその「普通」を変えたいんです。

 私には、私を支えてくれる大切な女の子たちがいます。そのうちの一人が、この間、私が嘘ついて冗談で教えた誕生日に、ない金はたいてホールケーキ買って全力でお祝いしてくれて・・・。

 私が、私なんかが 生まれてきたことを喜んでくれたんです。嘘の誕生日やったけど、生まれてきてよかったって、生まれてはじめてあんなに思いました。

 私はその子が、本当は行きたかった専門学校を諦めたこと、家庭環境を馬鹿にされたこと、家が安心出来る場所じゃないこと、しんどい時にしんどいと言われへんこと、その全部を「当たり前」のままになんかしたくない。

 だから私は、もう絶望という当たり前に慣れてしまうことをやめました。明日からも、その子と生きていきたいからです。

 私は、手触りと沈黙を大切にし、私の言葉で私を語り続けます。それが、私にとって唯一のアイデンティティであり、私にとっての"自由"であり、私の反戦の誓いであり、ファシズムとすべての差別に対する私に出来る最大の抵抗だからです。

 そして誰にもそれを打ち砕くことは出来ない!なぜなら、私の想像力も、私の言葉ひとつひとつの背景にある笑いや涙の経験も、誰にも侵すことは出来ないからです。

 私はほんの数年前まで新聞の中にだけあった"沖縄"を、"東北"を、こんなにも近くに感じたことはなかった。彼らの息遣いが、怒りの声が、今の私には聞こえます。

そして、原爆ドームの前に立ち尽くすあの人を、
杖をついて国会前に足を運び続けるあの人を、
弱音を吐けないまま死んでしまった大好きなあの子を、
これほど近くに感じた夏はなかった。
こんなにも人の温もりを感じた夏はなかった。
こんなにも自分が生きていることを噛み締めた夏はなかった。

 私は、戦後70年を迎えるこの国に、世界中で銃声に怯える子どもたちに明るい未来を見せる努力を求めます。貧困大国であると同時に自殺大国でもあるこの国に、安心して命を育める環境を求めます。政治家の一人ひとりに、この国とこの世界に生きる人々の、暮らしや、夢や、命に対する想像力を求めます。

 私の言葉を理想論だとか綺麗事やと笑う人がいるかもしれません。でも、希望も語れなくなったら本当の終わりです。だから、私は明日からも路上に立ちながら大いに理想を語ります、夢を語ります。
http://www.ustream.tv/recorded/76192359

大澤茉実さんのことは、「SEALDs 民主主義ってこれだ!」(大月書店)
緊急対談「高橋源一郎×奥田愛基」で。

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  • 私たちが無力じゃないと知った!

    Excerpt: ▼思わず涙がにじんだ  「私はほんの数年前まで新聞の中にだけあった"沖縄"を、"東北"を、こんなにも近くに感じたことはなかった。彼らの息遣いが、怒りの声が、今の私には聞こえます」。「それは、この夏、.. Weblog: 半歩前へ racked: 2015-10-31 15:30