抱きしめ、奇跡確かめた
▼樺太犬は“名優”揃い
映画「南極物語」を観た。高倉健の特別追悼番組としてフジテレビが21日夜、放映した。主役は高倉健だが、実際の主役は無人の南極に取り残された15頭の樺太犬だ。しかも“名優”揃い。
見事な演技に見とれ、よくここまで犬たちを飼育したものだと感心した。割れた流氷に乗り漂流する犬。闇夜のオーロラに脅え、身を寄せ合う樺太犬たち。撮影の苦労が分かる大作だ。
物語は実話を基にしたもので、南極観測隊は1958年(昭和33年)2月、越冬隊が交代する予定だった。ところが、観測船「宗谷」が悪天候と氷の厚い壁に阻まれ接岸できず、第2次越冬は断念と決まった。
▼断腸の思いで南極去る
第1次越冬隊が連れてきた樺太犬15頭は鎖につながれ、無人の昭和基地に置き去りにされた。犬係の高倉と渡瀬恒彦は断腸の思いで南極を去る。
餌もなく、極寒の地に残された15頭の樺太犬は、ブリザードと呼ばれる極地特有の激しい暴風雪の中で、寒さと飢えに耐えながら体を丸めた。時間の経過とともに犬たちは空腹を訴えて鳴き叫ぶ。
▼氷の割れ目に姿消す犬
痩せた首から輪がはずれ、1頭また1頭と駆け出した。犬たちは人の姿を求めて昭和基地を走り回る。だが、餌をくれた高倉と渡瀬はどこにもいない。
空腹で絶命する犬。氷の割れ目に落ちた犬。人間なら、手で引っ張り上げて助けることが出来るが犬には無理だ。仲間が海水に沈んでいく様子を見つめる、犬の悲しそうな眼がいじらしい。
▼慙愧の念に駆られた2人
ボス犬は突然、シャチに襲われた仲間を助けようとして大けがをし、それがもとで命を落とした。15頭いた樺太犬はタロー、ジローの2頭だけとなった。
慙愧の念に駆られた高倉と渡瀬は、再開された南極観測隊に応募。隊員として再び南極にやって来た。昭和基地にヘリが着くと、真っ先に犬をつないでいた鎖を手繰る。雪の中から首輪が見つかった。餓死した樺太犬の姿に高倉は絶句した。無理もない。極寒の地で餌もなく「生きろ」と言う方が酷だ。
▼タロー、ジローが生きてた
地平線を見つめる高倉。目線の先の、遠くの氷塊のそばで黒いものが動いている。「そんなハズはない」と思いながらもう一度、見つめ直した。確かに動いている。アザラシやペンギンではない。
「オイ、あれを見ろ」と高倉。渡瀬が立ち上がって地平線に目をやった。信じられない光景がそこにあった。樺太犬である。しかも2頭。「生きていてくれた」-。兄弟犬のタローとジロー。2人の目に涙がにじんだ。
▼抱きしめ、奇跡を確かめた
2頭は1年ぶりに見る人間を警戒して、最初は近づいてこなかった。が、高倉が大声で呼ぶと安心したのか、一目散に駆け寄って来た。2人は力いっぱいタロー、ジローを抱きしめ、「奇跡」を確かめた。
映画「南極物語」を観た。高倉健の特別追悼番組としてフジテレビが21日夜、放映した。主役は高倉健だが、実際の主役は無人の南極に取り残された15頭の樺太犬だ。しかも“名優”揃い。
見事な演技に見とれ、よくここまで犬たちを飼育したものだと感心した。割れた流氷に乗り漂流する犬。闇夜のオーロラに脅え、身を寄せ合う樺太犬たち。撮影の苦労が分かる大作だ。
物語は実話を基にしたもので、南極観測隊は1958年(昭和33年)2月、越冬隊が交代する予定だった。ところが、観測船「宗谷」が悪天候と氷の厚い壁に阻まれ接岸できず、第2次越冬は断念と決まった。
▼断腸の思いで南極去る
第1次越冬隊が連れてきた樺太犬15頭は鎖につながれ、無人の昭和基地に置き去りにされた。犬係の高倉と渡瀬恒彦は断腸の思いで南極を去る。
餌もなく、極寒の地に残された15頭の樺太犬は、ブリザードと呼ばれる極地特有の激しい暴風雪の中で、寒さと飢えに耐えながら体を丸めた。時間の経過とともに犬たちは空腹を訴えて鳴き叫ぶ。
▼氷の割れ目に姿消す犬
痩せた首から輪がはずれ、1頭また1頭と駆け出した。犬たちは人の姿を求めて昭和基地を走り回る。だが、餌をくれた高倉と渡瀬はどこにもいない。
空腹で絶命する犬。氷の割れ目に落ちた犬。人間なら、手で引っ張り上げて助けることが出来るが犬には無理だ。仲間が海水に沈んでいく様子を見つめる、犬の悲しそうな眼がいじらしい。
▼慙愧の念に駆られた2人
ボス犬は突然、シャチに襲われた仲間を助けようとして大けがをし、それがもとで命を落とした。15頭いた樺太犬はタロー、ジローの2頭だけとなった。
慙愧の念に駆られた高倉と渡瀬は、再開された南極観測隊に応募。隊員として再び南極にやって来た。昭和基地にヘリが着くと、真っ先に犬をつないでいた鎖を手繰る。雪の中から首輪が見つかった。餓死した樺太犬の姿に高倉は絶句した。無理もない。極寒の地で餌もなく「生きろ」と言う方が酷だ。
▼タロー、ジローが生きてた
地平線を見つめる高倉。目線の先の、遠くの氷塊のそばで黒いものが動いている。「そんなハズはない」と思いながらもう一度、見つめ直した。確かに動いている。アザラシやペンギンではない。
「オイ、あれを見ろ」と高倉。渡瀬が立ち上がって地平線に目をやった。信じられない光景がそこにあった。樺太犬である。しかも2頭。「生きていてくれた」-。兄弟犬のタローとジロー。2人の目に涙がにじんだ。
▼抱きしめ、奇跡を確かめた
2頭は1年ぶりに見る人間を警戒して、最初は近づいてこなかった。が、高倉が大声で呼ぶと安心したのか、一目散に駆け寄って来た。2人は力いっぱいタロー、ジローを抱きしめ、「奇跡」を確かめた。
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